相続税、うちはかかる?
かかるのは10人に1人。3分でできる確かめ方
0円でも、申告が必要なことがある。
写真はイメージです。(写真AC)
大半の家は相続税がかかりません。ただし「特例を使えば0円」の家は、申告をしないと0円になりません。
公開日:2026年10月20日
相続税がかかったのは、10.4%
国税庁によると、2024年に亡くなった方は約160万5千人。そのうち相続税の申告書が出されたのは約16万7千人で、割合は10.4%でした。前の年(9.9%)より少し上がっています。
つまり、10家族のうち9家族は、相続税はかかっていません。 まず、自分の家がどちらに入りそうかを確かめます。
確かめ方:基礎控除と比べる
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
親の財産の合計(借金や葬儀費用は差し引く)が、この基礎控除以下なら、相続税はかかりません。
| 法定相続人 | 基礎控除 |
|---|---|
| 子1人 | 3,600万円 |
| 子2人 | 4,200万円 |
| 配偶者+子2人 | 4,800万円 |
| 配偶者+子3人 | 5,400万円 |
財産の合計に入れるのは、預貯金、株・投資信託、土地・建物、生命保険金(一定額を超える部分)などです。土地・建物は売れる値段ではなく、相続税の評価額(土地は主に路線価という公表価格から計算)で数えます。路線価は、一般に売れる値段より低めに設定されています。
仮の例で計算する
次の前提を置きます。すべて仮の数字です。
- 亡くなったのは父。相続人は母と子2人(基礎控除4,800万円)
- 実家の土地:評価額3,000万円(200㎡)、建物:評価額300万円
- 預貯金:2,000万円
- 実家は母がこのまま住み続け、土地は母が相続する
| 特例を使わない | 特例を使う | |
|---|---|---|
| 土地(評価額) | 3,000万円 | 600万円 |
| 建物 | 300万円 | 300万円 |
| 預貯金 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 合計 | 5,300万円 | 2,900万円 |
| 基礎控除(4,800万円)との差 | 500万円 超える | 下回る |
右の列で使っているのが「小規模宅地等の特例」です。亡くなった方が住んでいた家の土地を、配偶者や同居していた家族などが相続すると、330㎡までの部分の評価額を80%減らせます。3,000万円の土地が600万円として数えられます。
この特例は、申告書を出して初めて使えます。 特例を使えば税金が0円になる場合でも、相続を知った日の翌日から10か月以内に申告が必要です。「うちは0円だから何もしなくていい」と放っておくと、特例を使えずに税金がかかる、ということが起こりえます。
配偶者が相続する分を大きく減らせる「配偶者の税額軽減」(1億6,000万円まで、または法定相続分までは税金がかからない)も、同じく申告が条件です。
では、誰に相談するか
- 基礎控除を明らかに下回る:相続税の申告は不要。名義変更(相続登記)や預金の手続きは必要なので、相続手続きの代行サービスや司法書士へ
- 財産の合計が基礎控除を超えるか微妙、または特例を使って0円になる:申告が必要。相続税に慣れた税理士へ。特例の要件を満たしているかの判断が、税額を大きく左右します
- 基礎控除を大きく超える:税理士へ。早いほど選べる手段が増えます
税理士にも得意分野があり、普段は会社の決算を中心にしていて、相続税の申告は年に数件という事務所もあります。依頼するときは、「相続税の申告を年に何件扱っていますか」と聞いてみてください。
相続手続き・税理士の相談先を見る依頼するときに確認することもまとめていますまとめ
- 相続税がかかったのは10.4%(2024年に亡くなった方)
- 基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 土地は売れる値段ではなく評価額で数える
- 自宅の土地は条件次第で評価額が80%減。ただし申告しないと使えない
- 申告期限は、相続を知った日の翌日から10か月
- 国税庁「令和6年分 相続税の申告事績の概要」(2025年12月公表)
- 相続税法第15条(基礎控除)、第19条の2(配偶者の税額軽減)、第27条(申告期限)、租税特別措置法第69条の4(小規模宅地等の特例)
本記事は一般的な情報であり、税務の個別の助言ではありません。特例の要件は細かく定められています。実際の判断は税理士または税務署にご確認ください。