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親の介護、総額はいくら?
平均で約540万円、施設なら約800万円

手を握れるうちに、お金の話も。

写真はイメージです。Photo: Nshcvks Hxjsg(Pexels)

月々の費用だけを見ると判断を誤ります。「月々 × 期間 + 最初にかかる費用」で、総額を出してから考えます。

公開日:2026年10月20日

老人ホームのパンフレットには、たいてい「月額◯万円」と書いてあります。ただ、介護は数か月で終わるものではありません。いくらかかるかは、月額ではなく総額で考える必要があります。

公的な調査の平均値

実際に介護をした経験のある人に聞いた調査(2024年度)では、平均はこうなっています。

項目平均
最初にかかる費用(住宅の改造、介護用ベッドの購入など)47.2万円
月々の費用(全体)9.0万円
 うち在宅で介護した場合5.3万円
 うち施設で介護した場合13.8万円
介護の期間55.0か月(4年7か月)

出典:公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査[2人以上世帯]」2024(令和6)年度。介護経験のある人の回答にもとづく平均です。

総額を計算する

総額の目安 = 月々の費用 × 介護の期間 + 最初にかかる費用

月々× 期間+ 最初の費用総額の目安
全体の平均9.0万円55か月47.2万円約542万円
在宅の場合5.3万円55か月47.2万円約339万円
施設の場合13.8万円55か月47.2万円約806万円

この計算は、平均の月額と平均の期間を掛けて出した目安です。在宅・施設の人の介護期間がそれぞれ55か月とは限りません。また、施設の入居時に払う「入居一時金」は施設によって大きく異なり、上の「最初の費用」には十分に含まれていない可能性があります。

それでも、桁を知っておく意味は大きいと考えます。施設を選ぶと、在宅のおよそ2.4倍。そして多くの場合、これを払うのは親自身の年金と貯蓄です。足りなければ、実家を売る話とつながってきます。

老人ホームの見学で聞くこと

施設を探すときは、資料を取り寄せたうえで、必ず2〜3か所を見学してから決めてください。そのとき、月額の数字よりも先に聞いてほしいことがあります。

  1. 月額に含まれていない費用は何か(おむつ代、医療費、日用品、理美容、イベント代など)
  2. 入居一時金は、何年でどう減っていくか。早く退去・死亡した場合にいくら戻るか
  3. 介護度が重くなったとき、医療的なケアが必要になったときも住み続けられるか
  4. 月額の値上げは、過去にどのくらいあったか
  5. 夜間の職員の人数と、看護師がいる時間帯

1番と2番は、総額を大きく動かす部分です。見学のときにメモを取り、施設ごとに「5年いたら総額いくらか」を同じ条件で並べると、比べやすくなります。

老人ホーム探しの相談先を見る資料請求・見学のときに確認することもまとめています

介護が始まる前に:親のお金を「動かせる」状態にしておく

介護の費用を親の預金や実家の売却でまかなう予定なら、気をつけたいのが親の判断能力が低下したときです。本人の意思が確認できないと、預金の引き出しや家の売却が難しくなることがあります。

そうなる前に取れる手段として、家族信託(親の財産の管理を家族に託す契約)や任意後見などがあります。どれが合うかは家族の状況で変わるので、元気なうちに一度、専門家に相談しておくと安心です。

まとめ

  • 介護は月額ではなく総額で考える
  • 平均で計算すると、全体で約542万円、施設なら約806万円(目安)
  • 見学では、月額に含まれない費用と入居一時金の戻り方を聞く
  • 施設ごとに「5年いたら総額いくらか」を同じ条件で並べる
  • 親の判断能力が低下する前に、お金を動かせる準備をしておく
出典・参考
  • 公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査[2人以上世帯]」2024(令和6)年度(同センターのウェブサイト掲載データより)

本記事は一般的な情報です。費用は地域・施設・介護度により大きく異なります。